ニューサポート高校「社会」vol.36(2021年秋号)より。新教育課程の全面実施を目前にし、高校歴史学習の「変わること」がますます注目されている。各種新設科目、「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」「コンテンツ・ベースからコンピテンシー・ベースへ」といった用語や概念など、まるで新課程がはじまったとたんに教室の風景が一変するような印象さえ受ける。しかし、新学習指導要領(新課程)は現行学習指導要領(現行課程)の「改訂」であり、引き継がれている点も多い。新課程、新科目に向き合う前に、現行課程までの歴史学習を振り返り、「不易」の部分を確認することも必要ではないだろうか。そこで本稿では、筆者による最近の日本史 B 実践を振り返りながら、歴史学習で「変わらないこと」に着目し、新課程、新科目への向き合い方について、課題(懸念)も含めて考察した。
東京都立立川高等学校教諭 武藤正人