教室の窓「小学校・中学校 教育情報」Vol.64 特集:児童・生徒を守る防災教育(2021年9月発行)より。自然現象の激甚化や新型コロナウイルスのパンデミックにより、従来のハード面の対策だけでは命は守れない、という認識は、防災インフラを整備する一線の技術者たちにも広まってきている。整備基準を超えた自然現象の激甚化には、ハード面の更新だけでなく、人々の備えと避難行動に関する防災文化の醸成が不可欠だからである。本稿では、宮城教育大学と国土交通省東北地方整備局の協定により完成した「いのちを守る教員のための防災教育ブックレット(風水害編)」および増補版「動画教材活用編」について詳述し、防災教育実践へのヒントを示す。
宮城教育大学防災教育研修機構副機構長/教職大学院准教授 小田隆史