ニューサポート高校「国語」vol.35(2021年春号)より。令和4年度発行の教科書「新編現代の国語」「精選現代の国語」の採録筆者のエッセイ。「新編現代の国語」・「精選現代の国語」では筆者の文章「不思議な拍手」を掲載した。アルツハイマー型認知症のカワカベさんは,娘さんとパン屋さんがグループホームのリビングから退場するときにだけ拍手をする。そのことに気づいた筆者は,「情動の二要因理論」を唱えた心理学者の実験を踏まえながら,その理由を考察していく。人の行動から,心の動きを推測していく評論である。
早稲田大学文学学術院教授 細馬 宏通