学習指導要領の実施を迎えた小学校では,その趣旨を生かし,授業改善や学校経営の充実に力を入れて取り組んでいる学校が多くある。中学校でも移行の最終年としてその準備に忙しいことだろう。しかし,学校を構成する基本単位である「学級」づくりがおろそかになってしまっては問題である。子供の学力を伸ばし,学校としての力を高めていく土台である「学級経営力」,つまり「学級」づくりの向上の手立ては今まさに必要なことである。『若い教師のための学級づくりヒント集Ⅲ』は,月ごとの学級経営を取り上げている。現場で働く教員は毎月どのようなことを計画し,どう取り組んでいるかをそれぞれの教師の目で記述している。年間を三つに分けて,本報告書は3月から6月までを取り上げた。なぜ4月からではなく,3月からの学級づくりかは,ぜひ読んで考えていただきたい。18項目の小・中学校の事例と5本のコラムから本報告書は構成されている。(東研研究報告 No.325)
東京教育研究所