平成29年告示の学習指導要領の下では,指導する語彙が,小学校で600語から700語程度,中学校で1,600語から1,800語程度,高等学校で1,800語から2,500語程度と大きく増加します。私が小学校の検定教科書を分析した結果によると,実際に教科書で扱われている語は,各社で差はあるもの1,300語程度であり,600語から700語を大きく超えていることが分かりました。小学校では週2時間の授業で,このような数の語彙をどのように指導すればよいのかと,よく研究会などで質問を受けます。さらに,これを受けて来年度から使用される中学校の教科書の語彙も同様に大きく増加することが予想されます。今でさえ,毎レッスン次から次へと導入される単語の指導に苦労しているのに,どうすればよいのかというのが正直なところではないでしょうか?このような状況を乗り越えるために,以下の2つの提案をしたいと思います。キーワードは「意図的学習」と「学び方の指導」です。
弘前大学教育学部講師 佐藤剛