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連載コラム「かがくのおと」第141回 細胞内の酵素学へ

  • 理科
  • エッセイ
公開日:2020年10月27日
連載コラム「かがくのおと」第141回 細胞内の酵素学へ

酵素は化学反応の触媒として働き,細胞内に存在するあらゆる有機物の代謝にかかわっている。このことは高校生でも学ぶ基本的な内容だが,かつて私が学生のころ学んださまざまな現象の中でもとりわけ最も腑に落ちなかったのが,酵素と代謝の関係だった。それぞれの酵素の働きや,細胞全体として見たときの代謝はよく理解できるが,両者のつながりが具体的にイメージできなかったのである。例えば,糖の分解やアミノ酸の合成などを行うとき,酵素はいくつも順番に働く必要があるが,どのような仕組みで連続的に反応が進むのだろうか? 細胞内には酵素が何百種類も何千種類もあるが,なぜ混線せずにうまく働いているのだろうか? 相分離生物学が本格化するなか,この問いの重要性について考えてみたい。

筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎

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