「ニューサポート高校「社会」vol.33(2020年春号)特集:センター試験分析・共通テストへの展望」より。問題数は,大問6問・小問36問であり,構成に大きな変化はなかった。内容は経済分野,現代の諸課題を中心に,政治,倫理分野,課題探究など「現代社会」の幅広い分野から網羅的に出題された。リード文は,第2問で心理学者ドゥンカーの「箱問題」を,第3問では「文系」「理系」という学問分野を,第4問ではグローバル化の進む現代社会での異文化交流を取り上げ,既成の価値観や概念の不確かさを指摘していた。いずれも受験生にとって身近な題材で語られており,メッセージ性の強いものであった。ただし,総じてみると小問は思考力や概念を問うものより知識を問う出題が目立ち,大学入学共通テストを意識した出題はほとんど見られなかったように感じられた。
智辯学園奈良カレッジ高等部 中谷亮介