これまでの学級経営は,行事と授業の組み立てを考えていけば,ある程度学級は成立してきた。行事のなかで,子供たちの指導を担うことが授業へとつながっているとも言えたのである。今日の学校における子供の問題はそうはいかない。地域性や生活格差が広がっている。子供の心を開き,関係性を育てること,いわゆる学級づくりを大切にしていかなければ授業は成立しないのである。若い教師が教育に明るい未来を描き,子供たちと共に生き生きできるかどうかで教育の未来は変わっていく。悩み,苦しみ,もがき,失敗しながら歩いてきた教師の実践から,自分なりの学級づくりを進めて欲しいと願っている。『若い教師のための学級づくりヒント集Ⅱ』は,現場の疑問や質問に,教師がどう向き合い,どう取り組んでいるかの視点で取り上げた。若い教師に限らず,一度は悩んだことのあるテーマで,小学校9編,中学校10編を問題提起と回答の形で構成している。(東研研究報告 No.317)
東京教育研究所