本校には「人文科」という学科がある。2学年時に課題探究レポートがある。私の担当のAさんがレポートにまとめることにしたのは、標記の、「夏目漱石の作品は、なぜ後世まで読み継がれているのか」である。私は、レポート完成後の11月、私の漱石論を彼女に示そうと思った。私の教員としての根本的姿勢は、生徒に本物を提示し、文化のエッセンスと大人の底力を見せることにある。料理の世界で言えば、まずいものばかり食べていると(食べさせられていると)、それを美味しいものと錯覚してしまう。指導調理人の第一の仕事は、本当に美味しいものを生徒に出し、舌にその味を経験させることにある。以下に示すのは、そのような経緯から述べる私の漱石論である。これが「本当に美味しいもの」、漱石論を通しての文学の本質に迫っているかどうかは、Aさんと読者諸氏の判断にゆだねるしかない。
埼玉県立春日部東高等学校 滝本正史
A4判たて,10ページ
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