2011年の東日本大震災から8年以上の月日が過ぎ,時代も平成から令和に変わり,震災の記憶が全くない子どもたちも小学生となっている。あの年の5月,世界から最もたくさんの支援を受けた国は,ほかの発展途上の国々ではなく,我が国日本であったことを,どれほどの方が記憶しているであろうか。外国から次々と援助物資や救援隊が到着し,アジアのストリートチルドレンまでもがなけなしの小銭を寄付に差し出したことも新聞で報じられた。世界の英語教師がつながるオンライン・サイト“e-Pals”*1に登録していた私のもとには,数か国の教師からメールが届き,「自分の生徒たちが日本のために何かをしたいと言っているが,何をしたらいいか?」と問われたので,「励ましの手紙をお願いします」と答えたところ,200通以上に及ぶメールが世界中の青少年から寄せられた。それに一つ一つ英語で返事を書きながら,「英語はこういうためにある」ということを私自身は心から痛感したのであった。
東洋学園大学 教授 坂本ひとみ