平成29(2017)年告示の学習指導要領(以下,新学習指導要領)により,小学校高学年の児童は外国語を教科として学ぶこととなり,小学校段階で学習する語彙数(語彙サイズ)の目安として「600~700語程度」という値が示されました。この600~700語は,小学校段階で求められる定型の挨拶,自分や身の回りの物事に関する簡単な描写や質問と応答,自分の気持ちや考えを述べる最も基礎的な言い回しなどに必要な語数とされています。また,小学校第3~4学年の2年間における外国語活動の計70単位時間および第5~6学年の2年間における教科としての外国語の計140単位時間,合計210単位時間の中で扱うのに妥当と見なされた語数でもあります。しかし,どのような語彙をこの600~700語として規定するかは現時点でははっきりとは示されておらず,教科書作成者や指導者に任されているのが現状です。
東北学院大学 准教授 清水遥