ニューサポート高校「家庭」vol.16(2019年春号)より。昨年(2018 年)6月に民法が改正されて,2022 年4月1日から成年年齢が 20歳から 18歳に引き下げられることとなった。つまり,18歳から成年(成人)となり,独立した契約主体としての責任を負うことになったのである。改正の過程で最も懸念され たのは,18歳を中心とした若年者の消費者被害の増加であった。このことは,成年年齢の引き下げが,高校の家庭科教育に大きな影響を及ぼすことを示している。そこで,本稿では,成年年齢が18歳に引き下げられたことの意味と消費生活との関係を踏まえて, 高校の家庭科教育に与える影響について整理しつつ課題を考えてみたい。
明治学院大学法学部教授 角田真理子