最近は液-液相分離が面白くてしょうがない。ご存知のとおり「かがくのおと」のネタもこればかりである。論文もエッセイも液-液相分離,大学院の授業も集中講義も液-液相分離。先週も液-液相分離のフルコースだった。1万3千字の解説をひとつ仕上げて『現代化学』誌に寄稿し,金曜日には産総研で「相分離生物学」と題したセミナーで満員の聴衆を前に話をし,土曜日には新たな研究グループで予算を獲得するために東京に出て,タンパク質科学のニューフェーズをどう展開するのか話し込んできた。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎