大学に入ったのに,高校と何も変わらないですねと言う学生がわりといる。1年生や2年生の学生実験の待ち時間に「勉強は面白い?」と聞くと,「必須科目ばっかりで大変っす,もっと期待してたのに」なんてブツブツ言いはじめる。たしかに今の大学の講義は大変だと思う。小テストや宿題や中間テストがあるし,出席も取る。単位をそろえるだけで一苦労である。高校の進学校のカリキュラムと雰囲気は似ているのだろうが,しかし,きっとそういう問題ではない。彼らの気持ちの問題である。「変わらないんじゃなくて,自分で変えるのが大事じゃないか」などと諭したりしている。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎