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つくばエクスプレスのボックス席に座っていたとき,向かいに座った同世代のスーツを着た男性が,クリーム色の上品なブックカバーをつけた文庫本を読んでいた。左手で本の背を支え,右手でページをそっと開いている。その佇まいがいい感じだった。うたた寝したりスマホをいじったりする人が多い仕事帰りの電車の中で,ブックカバーをつけた文庫本を丁寧に読んでいる。素晴らしいことではないか。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
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