ニューサポート高校「社会」vol.30(2018年秋号)より。2018 年 3 月,ついに新しい学習指導要領が 告示された。現行の指導要領から約10 年ぶり の改訂である。今回の指導要領では,高等学校 地理歴史科・公民科において新科目が設置され, その内容も含めて,戦後歴史教育の大転換だと いわれている。特に新科目「歴史総合」は,日 本史と世界史を統合し,近現代に絞ってテーマ 史的に教えるという全く新しいコンセプトの科 目である。また,「世界史探究」「日本史探究」 という探究科目も設定されたが,これらの科目 についても今回の告示によってようやく全容が つかめたという状況である。 本稿では,新指導要領を意識したいくつか の大学入試問題を検討しつつ,世界史の授業を どう変革していくべきなのかを考えてみたい。
東京都立青山高等学校指導教諭 角田展子