入試問題は受験生を選抜するための「手段」である。しかしながら、受験生に、この文を読んでほしい、大学生になるからにはこのような考えを理解してほしい、という出題者の「志」を感じさせる良問がある。それら良問は授業で使いたい教材でもあるし、私はその「志」の意気に感じ、生徒にそれを「語る」ことがある。また、教室で問題演習を行うとき、「答」を出し満点を取るのを目指し、「手段」であるからには、それで終わりである。だが、「授業」の題材として問題文を扱うと、「答」を出しただけでは済まず、その先を考えなければ、その文章を本当に読んだ、理解したと言えないと感ずることがあり、それを発展的に考えさせ検討することがある。それは昨今ハヤリの「物事を多角的・多面的に吟味し見定めていく力(いわゆる「クリティカル・シンキング」)」、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)」(文部科学省)とも合致するだろう。ここでは、そのような、+αを論じたい。第1回目岩井克人「資本主義と『人間』」を取り上げる。
埼玉県立浦和第一女子高等学校 滝本正史
A4判たて,3ページ
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