新学習指導要領の趣旨を一人一人の教員が理解し,指導の手法を教師が習得し,子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を自校の教育活動として位置づけて実施していくうえで,昨今の学校経営の環境はきわめて厳しいものになっていると言える。本書における「新たな教育課題」とは,新学習指導要領の求める教育の実現に向けた取り組みであるとともに,課題の山積する学校経営の環境の改善を図り,教員一人一人の育成やライフステージに応じた教職生活の充実,教育への意欲を高めるための経営上の課題を指す。本書で取り上げた学校経営の事例は以下のとおり。①機能する組織に向けた校長の役割,②小学校外国語(英語)教育を支える学校経営,③危機意識と学校経営,④働き方改革と学校経営,⑤キャリア教育を推進する学校組織と校長の役割。本書が,新たな学校経営への契機となり,学校経営に携わる立場の読者の新たな挑戦に向けてお役に立てることを願っている。(東研研究報告 No.295)
東京教育研究所