小学校・中学校理科-教室の窓Vol.6(2006年1月発行)より。教師が説明しながら板書をし,生徒がそれを写すというのは,古典的な授業スタイルである。この方法は,書き込み式のワークシートを用意するのに比べると不親切なようであるが,何も書いてないところから教師とともに学習内容をまとめていけるので,生徒にとっては途中の飛躍のない,ていねいな授業になるのではないだろうか。特に,図をかく内容については,完成した図を見ても,どういう順でその図をかくのかがわからない。しかし,かく順を見ていくことで,内容を理解していくためのステップになったりする。いわば,キャラクターの絵をすぐかくのはむずかしいが,「絵かき歌」に合わせてなら誰でもかけ,そのキャラクターの特徴が理解できるのと同様である。歌をうたいながら授業をするわけではないが,順を追って一つひとつの線の意味を説明しながら教師が図を板書すれば,基礎・基本を身につけさせるわかりやすい授業になるであろう。
東京都江戸川区立小松川第一中学校教諭 大久保秀樹