すべての子どもに学ぶ喜びを~インクルーシブ教育
特別支援教育に対する配慮

特別な支援を必要とする児童への配慮は,先生方の様々な工夫によって行われています。その一翼を担ったのは,いち早く教科書や指導書に特別支援教育の視点を取り入れた東京書籍です。例えば教科書では,文の読み取りが苦手な児童に対し,文節の改行を徹底して読みやすくしたり,デジタル教科書では総ルビ(ふりがな)や分かち書きの表示を取り入れたりしています。これらの配慮は,特別な支援を必要とする児童だけではなく,多くの児童にも有効な取り組みとなります。また,教師用指導書にも指導上の留意事項がていねいに解説され,特別な支援を必要とする児童の背景要因も理解することが可能です。インクルーシブ教育を実現するためにも,教科指導を通して特別支援教育の充実がいっそう期待できると思います。

廣瀬由美子

明星大学 教授

教科の具体例

国語

「新しい国語」では,一人一人の確かな学びを保証するため,大切なことが一目で分かるシンプルなデザイン・レイアウトを採用するとともに,以下のようなきめ細かい配慮をしています。

  • ・1・2年では,語のまとまりが捉えやすいよう,分かち書き,文節の切れ目での改行を用いています。
  • ・物語・説明文教材には,5行ごとの行数字に加え,1行ごとに点(・)を付し,行を捉えやすくしています。
  • ・特殊音節(促音,長音,拗音等)や助詞など,読み書きでつまずきやすいポイントで,特別支援教育の知見を生かした指導法を取り入れています。

2上p.20 文節改行と行数字

1上p.60 特殊音節

算数

 

「新しい算数」では
・文節の改行を徹底し文章を読み取りやすくする
・ページ番号を白抜きで表し,ほかの数と区別しやすくする
・重要用語は太字にし,アンダーラインもひくことで着目しやすくする
・重要事項は枠で囲み,着目しやすくする
・記号のデザインはシンプルな形とし,簡単にかけるようにする
・淡い色の使用,使用する色数を精選することより,無用な刺激を与えず学習に集中しやすくする
など,多様な個に応じた仕様に徹底的にこだわりました。
より多くの児童の深い学びを支援するためです。

5年下p.105

他教科の例

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