東京書籍の教科書には,独自に開発されたUDフォントが採用されています。このUDフォントは,書き文字の指導に適した書体デザインを保持しつつ,弱視などの障害のある児童が判別しやすいように配慮されています。640人の弱視児童,857人の担当教員のニーズに基づいて作成されました。また,製本にも堅牢性と開きやすさを兼ね備えた独自の工夫が採用されています。教科書は堅牢に製本する必要があるのですが,本を開いた状態にしておくことが難しいという現場の声を反映させた工夫です。このように,東京書籍の教科書は,フォントや製本などの細部にまで,配慮と工夫を重ねて作成されています。
慶應義塾大学
教授
当社では,UD教科書体を独自に開発しました。字形を判別しやすく,読み間違えにくい書体です。さらに教科書体の特徴をあわせ持っているため,本文で使用することで,児童にとっては,学習に取り組みやすくなっています。
「あたらしいさんすう」1年①は,入門期の学習に特化した教科書です。堅牢性を保ちながら開きやすさを追究し,針金を3か所使用した中綴じを採用するとともに,A4判化しました。これにより,算数ブロックを紙面上に置きやすい(フラットな状態に近い,算数ブロック間のスペースを十分に確保)紙面となっています。
1年①p.14~15
また,筆記適性に優れた用紙を採用して書き込み欄を充実させ,ノート機能ももたせました。これにより,教科書やノートの出し入れに伴う負担や時間のロスを軽減し,算数の学習にいっそう集中することができます。
1年①p.29上
教科の使用特性,厚さに応じて,製本様式やその開き方も工夫しています。
昔は教科書といえば堅牢さを求め平綴じが主流でしたが,紙面が開きにくいという欠点もありました。東京書籍では多くの教科で,新開発の糊(PUR)を使用し,堅牢さと紙面をより広く開くことを両立させた「PURあじろ綴じ」を採用しています。
図版,資料をダイナミックに,効果的に掲載することができます。
PUR:Poly Urethane Reactive(ポリ ウレタン リアクティブ)の略。製本の糊の部分に,PUR系ホットメルト接着剤を使用した製本方法。従来の糊より堅牢性,耐久性に優れています。
一定の厚さの教科書は針金で綴じた平綴じにしています。
針金で留めた状態
薄い教科書は中綴じにします。その綴じ方はPL法(製造物責任法)に適合し,指や衣服などにひっかかって怪我をすることがないように配慮しています。
中綴じの教科書
PL法対応 (東京書籍)
PL法未対応
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