化学物質過敏症は,身の回りの素材から拡散される化学物質を体内に摂取してしまい発症します。教科書のインクや表紙の表面加工などが含んでいる化学物質は,身の回りの素材に比べて極めて微量ではありますが,そのような児童生徒のための配慮や改善への取り組みは教科書発行者としての責務と考えます。東京書籍の教科書では,植物油成分のインクを使用したり,表紙では有害性の少ない材料を用いて加工したりしています。また,さらなる対応が必要な児童生徒には,
①天日干し ②消臭紙カバー ③全ページコピー ④表紙コピー
などを行い,少しでも発症のリスクが下がるよう努めています。
東京書籍編集部
写真の左の本は通常の教科書ですが,右の本はいわゆる「全ページコピー本」と呼ばれるものです。表紙も含めすべて教科書紙面のコピーで作られており、接着剤は使用せず、針金綴じで製本されています。また,臭いなどが移らないように,製造後すぐに無添加ラップで包んでいます。