授業はどのように変わる? 新学習指導要領 Q&A

Q8

小学校理科で新たに追加された学習内容について,教えてください。

A8

第三学年で「光と音の性質」,第四学年で「雨水の行方と地面の様子」,第六学年で人と環境の関わりを「生物と環境」の単元で扱います。

ポイント

  • 三年では,音の伝わり方と大きさを「光と音の性質」の単元で扱うことになる。
  • 四年では,「水は,高い場所から低い場所へと流れて集まること」と「水のしみ込み方は,土の粒の大きさによって違いがあること」を「雨水の行方と地面の様子」の単元で扱うことになる。
  • 六年では,人と環境の関わりを「生物と環境」の単元で扱うことになる。

三年「光と音の性質」

学習内容は,「物から音が出たり伝わったりするとき,物は震えていること」,「音の大きさが変わるとき物の震え方が変わること」の2つです。つまり,音は物の震えであること,音の大きさは震え方の大きさによることを学びます。

ここでの学習は,まずはトライアングルなどの打楽器をたたいて音を出したり,音が出ているときにトライアングルを手で握り,震えを止めたりして,音が鳴っている間は楽器が震えていることを体感によって捉えることが考えられます。

中学校では,音に関する学習を中学校第一学年で扱います。小学校段階においても音について体験的に学習することになります。ただし,音が耳に届くときには空気を伝わっていることや,音の高さは音を発する物の振動の仕方によることは,中学校で扱いますので,小学校では扱いません。

四年「雨水の行方と地面の様子」

学習内容は,「水は,高い場所から低い場所へと流れて集まること」,「水のしみ込み方は,土の粒の大きさによって違いがあること」の2つです。ここでは,雨水の流れる方向やしみ込み方は,地面の傾きや土の粒の大きさによることを学びます。

ここでの学習は,雨水が流れているところの地面の傾きを調べ,平らだと思っていた地面には高低差があり,雨水が高い場所から低い場所へと流れて集まることを捉えるようにします。また,土や砂の粒の大きさの違いによる水のしみ込み方の違いを調べ,粒が大きい方が水がしみ込みやすいことを捉えるようにします。

第五学年で「流れる水の働きと土地の変化」,第六学年で「土地のつくりと変化」を学習します。ここでの学習内容を基に,水の流れを傾斜で見たり,地層を粒の大きさで見たりすることができるようになり,より系統的に学習することができると考えられます。

六年「生物と環境」

新たな学習内容として,「人は,環境と関わり,工夫して生活していること」が追加されました。ここでは,科学技術を活用して水や空気など周囲の環境に与える影響を少なくする工夫,環境から人の生活へ及ぼす影響を少なくする工夫,人と環境のよりよい関係をつくりだす工夫を扱うことが考えられます。

これまでの理科の学習を踏まえて,自分が環境とよりよく関わっていくためにどう行動すればよいか,持続可能な社会の構築の観点で扱うようにします。