授業はどのように変わる? 新学習指導要領 Q&A

Q9

これからの授業づくりでは,どんなことを大切にすればよいですか?

A9

子供自身が自然の事物・現象に繰り返し働きかけながら科学的に解決していくようにすることが大切です。

ポイント

  • 問題解決の一連の活動を子供自身が行うようにする。
  • 自然の事物・現象に繰り返し関わり働きかけることができるようにする。
  • 科学的に問題解決していくようにする。

子供主体の問題解決

子供が学習活動で解決する問題は,教師が示したり与えたりするものではなく,子供自身が見いだした問題でなくてはなりません。そのためには,自然の事物・現象との関わりの中で生じた疑問について解決したくなるような状況を教師がつくりだすことが大切です。教師は子供の実態を捉え,何を,どのように子供と出会わせることで,子供にとって切実感のある問題を見いだすことができるか考えることが授業づくりのスタートとなります。

また,見いだした問題は,問題解決の過程を通して解決していくことになります(右図)。観察や実験をする学習活動だけではなく,解決したい問題に対する自分なりの予想や仮説をもち,解決の方法を考えながら観察や実験を行い,得られた結果から自分なりの考えをまとめ,問題に対する結論を導き出すといった一連の流れを子供たちがたどっていくことが求められます。教師は,学習内容を効率的に教えようとするのではなく,子供の問題解決を支えていくスタンスで指導に当たることが大切です。

自然に親しむ

理科では,学習の対象が自然の事物・現象です。ですので,理科の学習では,子供が自然の事物・現象に親しむことからスタートします。しかし,ただ単に自然の事物・現象に親しむだけでは,問題を解決することはできません。子供が自然の事物・現象に繰り返し関わりをもち,働きかける過程の中で,問題を解決したり,新たな問題を見いだしたりすることができるように学習を展開することが大切です。

科学的に問題を解決する

問題を解決する学習展開は,理科に限ったことではありません。日常の生活でも常に問題解決の連続です。問題解決のアプローチの仕方はいろいろありますが,理科では「科学的」に問題を解決していくことになります。科学がそれ以外の文化と区別される条件としては,「実証性」,「再現性」,「客観性」などが考えられるとされています(右図)。理科の学習では,これらを問題解決する際の手続きの条件として重視していくことになります。