もっと考えたくなる,もっと話し合いたくなる教科書

「新しい理科」は,児童が理科の見方・考え方を働かせながら,友達や先生とともに主体的に
問題解決の活動に取り組む中で,確かな力を育成できるように,さまざまな工夫を行いました。

ここでは,教科書の特長を解説するとともに,問題解決の過程ごとに,指導を行う際のポイントを授業場面のイラストと併せて示しています。教科書を活用した授業の流れをイメージするための資料としてご活用ください。

自然事象に対する気付き

簡易的な体験や写真資料などを通して,自然の事物・現象に触れる中で,
気付きや疑問を見つけ,主体的に学びをスタートさせます。

単元導入では,「レッツ スタート!」を設け,比較を通して,差異点や共通点から問題をつかむことができるような,簡易的な体験や写真資料の題材を充実させています。児童を理科の世界に引き込む魅力ある授業を展開することができます。

題材例(1)簡易的な体験

3年p.138〜139「じしゃくにつけよう」

題材例(2)写真資料

4年p.66〜67「暑くなると」

児童や先生のせりふを充実させています。先生にとっては,対話的な授業を充実させるための参考に,児童にとっては,考える際のヒントに使えます。

5年p.12「天気の変化」

教科書に例示されている体験や資料などを基に,導入の活動を行い,「あれ?」「なんで?」を見つけます。

教科書に右のマークがある場面では,授業で使えるデジタルコンテンツを準備しています。

写真資料や映像を活用する場合には,指導者用デジタル教科書(教材)を使用すると,更に授業を充実させることができます。

活動を基に,まずは自分の考えをまとめます。 次に,友達と気付いたことや疑問に思ったことを話し合い,対話を通して,自分がこれから調べる問題をつかみます。

問題の見いだし

児童の気付きや疑問を基に,「問題」をつかんだ後,調べる問題を明確にします。

「問題」は,導入の活動を受けた内容として,疑問文の形をとることで,児童が自らのものとして捉え,解決すべきことを明確に認識できるようにしています。

5年p.12「天気の変化」

つかんだ問題が自分たちで検証可能であるかを確認し,学級全体で共有します。

予想・仮説の設定

既習の内容や生活経験を基に,自分なりの根拠をもった予想や仮設を発想します。

「学んだことを使おう」やせりふなど,既習の内容や生活経験を想起させるためのヒントを充実させているので,児童が自ら進んで問題に対して考え,予想や仮説を立てることができます。

5年p.22「植物の発芽と成長」

問題解決の力を重点的に育成する場面を,「レベルアップ 理科の力」として強調して示しています。

4年p.35「天気と気温」

「理科のミカタ」では,各場面で主に働かせる見方・考え方をヒントとして示しています。「理科の見方・考え方」を意識的に働かせながら思考することができます。

4年p.36「天気と気温」

「レベルアップ 理科の力」では,対話の具体例を充実させています。児童にとっては,せりふの内容をヒントにしながら対話を進めていくことで,誰もが対話に参加でき,言語活動が充実します。先生にとっては,各場面における対話の流れやポイントが分かるので,「対話的な学び」の視点での授業改善のヒントとなります。

まずは自分で予想します。その後,互いの予想とその根拠を,対話を通して友達と共有します。更に,友達の考えを参考にしながら,自分の予想を見直すことで,考えを深めます。

検証計画の立案

予想や仮説を基に,問題を解決するための,観察や実験の方法を考えます。

観察,実験の器具の選択から手順までの全てを児童が考えることが難しい場合には,教科書を参考にしながら,必要な器具や具体的な手順などの計画を立てることができます。

6年p.14「物の燃え方と空気」

実験の条件や,実験を行う方法などを考えます。その際,その方法で調べたときの結果の見通しももつことで,自分の予想を確かめられそうか,実験方法は妥当かを考えます。

5年p.31「植物の発芽と成長」

5年p.140「電流がうみ出す力」

実験の条件などをまとめる表に,結果の見通しをかく欄を設けたり,ノート例で結果の見通しの例を扱ったりしています。

観察・実験の実施

計画した方法で,観察,実験を行い,違いや変わり方の様子を調べ,記録します。

手順をステップごとに文章や写真などで示しているので,児童も先生も操作の内容を確実に読み取ることができ,正確に調べることができます。安全面で配慮すべき内容は,赤文字で強調して示しています。

4年p.137「物の体積と温度」

4年p.200「理科の調べ方を身につけよう」

各学年で必要となる基礎技能は,巻末にまとめて掲載しています。必要な場面で繰り返し確認しながら,実験を行うことができます。

安全に注意して,観察,実験を行います。観察,実験の結果は,文章や絵,表などを使って記録します。また,どのようにすれば結果が読み取りやすいかを考え,必要に応じてグラフなどに整理します。

結果の整理

考察を充実させるため,表やグラフなども用いながら,結果を分かりやすく整理します。

大きく,鮮明な写真を掲載しているので,結果が一目瞭然です。「結果」は,「観察,実験」の次の見開きに示しているので,安心して教科書を開きながら,授業を進めることができます。

4年p.150「物のあたたまり方」

教師用指導書「学習シート集」では,あらかじめ結果を記録するための表や図などが示されているので,授業をスムーズに進めることができます。

青字の記入例は,白黒コピーをとると,消えるようになっています。

考察や結論の導出

結果からどのようなことがいえるか考え,分かったことを理科の言葉を使ってまとめます。

※3・4年は「考えよう」,5・6年は「考察しよう」としています。

「考察しよう」では,考える視点とともに,クラスでの結果の集約の仕方なども示しているので,考察する際の参考として活用できます。

5年p.158「ふりこのきまり」

「まとめ」は,箇条書きで簡潔に示し,児童が自ら見いだした「問題」の答えになる表現でまとめています。

3年p.54「風やゴムで動かそう」

考察の場面では,結果を予想と比較したり,複数の結果を基に多面的に考えたりして,より妥当な考えを検討し,結論を導き出します。

巻末の「学んだことをふり返ろう!」では,「問題解決の力」や「見方・考え方」「知識」について,1年間で学んだことを振り返ることができます。

4年p.206〜209
「学んだことをふり返ろう!」

深める・振り返る

問題解決の最後には,学んだことを生かして考えたり,次に解決したい問題を見つけたりして,学びを深めます。
また,単元の最後には,学んだ内容の確認や振り返りを行います。

問題解決の最後では,習得した知識を使って日常生活の事象などについて考えたり,新たに調べたい問題を見つけたりする場面を充実させています。

6年p.146「てこのはたらき」

6年p.108「大地のつくり」

各単元末に設定しています。[わかったかな・できたかな]では,知識及び技能の定着を確認します。[考えよう]では,各学年で主に育成を目指す問題解決の力を確認する問題を設けているので,その育成状況を見取ることができます。各問題には,振り返るための参照ページが示されているので,家庭学習にも活用できます。

5年p.63「花から実へ」

問題解決の最後や単元末では,「ふり返ろう」で,学ぶ中で大切だと思ったことや,友達と学ぶ意義,理科を学ぶ意義を考える場面を設けています。

教師用指導書のご紹介

各単元の詳細な授業の流れは,教師用指導書「指導編(朱書)」で万全!

■ 教科書と同じ表紙・体裁なので,教室での授業中にも活用できます。

■ 教科書に沿った解説で,指導の流れやポイントがひと目で分かります。

改訂のポイント

板書例を各時間ごとにきめ細かく掲載します。

児童の思考例・発言例と先生の投げかけの例を充実させ,より詳細に授業の流れをイメージできるようにします。

問題解決の力の育成状況を見取ることができる児童の発言例などを分かりやすく示しているので,評価の参考にできます。
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・ 学習シート集 ・ 資料編 ・ 指導資料データ集

(これらの商品は,企画中のため,内容・仕様ともに変更になる場合があります。)