Q11
新しい学習指導要領の,各単元の内容は,どう読み取ればよいですか?
A11
「学習の対象」,「見方を働かせるための着目対象」,「考え方」を確認し,箇条書きで示された育成を目指す資質・能力を確認するようにします。
ポイント
- それぞれの単元において,「学習の対象」,「見方を働かせるための着目対象」,「考え方」を初めに示し,アとして「知識及び技能」,イとして「思考力,判断力,表現力等」を箇条書きで示している。
各内容はどのような構成で示されているか
小学校理科では,31の単元(内容項目)が設定されています。学習指導要領では,それぞれの単元について,定型で示し,読み取りやすくなっています。どのような学習過程において,どのような「見方・考え方」を働かせることにより,どのような「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」を身に付けることを目指すのかが示されています。
下図は,三年「風とゴムの力の働き」の例です。冒頭の2行の文章中に,「力と物の動く様子に着目して」と表記されています。この部分は,学習対象で「見方」を働かせるための着目する対象を示しています。
また,「比較しながら調べる活動を通して」と表記されている部分は,各学年で主に育成を目指す問題解決の力を獲得する過程で児童が働かせる「考え方」を示しています。「見方・考え方」についての詳しい内容は,Q&A『「理科の見方・考え方」って何ですか?』に,思考力,判断力,表現力等や問題解決の力については,『未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力等」はどうすれば育成できますか?』で説明していますので参照してください。
さらに,アは「知識及び技能」,イは「思考力,判断力,表現力等」の資質・能力の内容を示しています。特に,イで記述されている「問題を見いだし,表現すること」は,各学年で中心的に育成する問題解決の力を示していて,この単元は第三学年ですので「問題を見いだす」ことを求めています。
なお,資質・能力の三つの柱のうち,「学びに向かう力,人間性等」については,他の資質・能力とは異なり,単元ごとに大きく異なるものではないことから,単元ごとに示すのではなく,各学年や各分野の「目標」において整理されたものを,全ての単元において共通的に扱うこととされています。