ユニバーサルデザインへの取り組み

新ユニバーサルデザイン(UD)書体を開発。

新学習指導要領では,「大文字,小文字を活字体で書くことができる」ことが目標です。しかし,アメリカでもディスレクシア(読み書き障害)が児童の10~20%にものぼるという調査があるなど,アルファベットの読み書きは簡単ではありません。特別支援教育の専門家の助言の下,つまづきやすいポイントに留意しながら,全ての児童に読みやすい,書きやすいフォント(NHhandwriting)を開発しました。

新フォント開発の目的

  • 1実際の書き文字に近づけることによる,児童の混乱の軽減。
  • 2正円を使わないことで,上下左右の反転の防止。
  • 34線の中央の幅を若干広くし,使用率の高い小文字に配慮。
  • 44線の第2線を点線にして「目安」とし,大文字の書きづらさの回避。

通常の書き文字(左)に近い新フォント(右)。

使用率が90%以上と言われる小文字に配慮。

4線付フォントデータを指導書に付属!

指導書では,ワークシートの作成時などに便利な4線付フォントデータを提供させていただきます。

4線付フォント(サンプル版)ダウンロード

学習内容を定位置に配置。色覚特性のチェックも実施。

各Unitの活動を定位置に配置し,特別な支援が必要な児童にも理解しやすいページ構成としました。色覚特性の研究者による詳細な検証を実施したほか,拡大教科書も発行します。

5年 Unit 1 Hello,friends.

5年 Unit 1 Hello,friends.

6年 Unit 8 My Future,My Dream

6年 Unit 8 My Future,My Dream

5年生から6年生の最後のUnitまで,枠中の配置は変わりません。

アルファベットの定着では,運筆面からもアプローチ!

上記のように,アルファベットの学習には多くの困難を伴います。そのため書体面の改善だけではなく,手の動かし方から4つのグループに分けて練習するページを用意しました。日本語の運筆とは異なるアルファベット独特の動きを意識的に学習することで,ストロークの面からアルファベットの定着を図ります。

5年生のp.91では,特別支援の側面から,運筆面からグループ分けした文字ごとに書く練習をします。

魔法のワークシート16 魔法のワークシート16 ダウンロード

指導書には,アルファベット学習を特別支援の観点からサポートするワークシートをご用意します(写真は東書教育シリーズ『アルファベット学習でつまずかせない! 魔法のワークシート16』)。