教科の広場
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。情報社会のモラル&リテラシー動画の紹介。アニメーション教材を活用した授業は、読み物教材の授業と同じ流れで行うことができます。また、情報サービスの誤った使い方によって、問題に発展する前の場面でアニメーションを停止し、生徒に問い作りをさせる「質問作り(QFT)」という活動を通して、探究的な学習に取り組ませることもできます。
金城学院大学教授 長谷川元洋
「特別の教科 道徳」における問題解決的な学習に向けて、東京書籍『新編 新しい道徳』(令和7年度版)の教材を生かした学習指導案(ねらいと学習指導過程)を公開させていただくことになりました。先生方の授業の一助になれば幸いです。
元横浜市立中学校校長 飛田仁,元横浜市立中学校校長 齋藤孝
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。葛藤場面について話し合い、「自分ごととして考える」。本時では、揺さぶりの問いを適宜行うことで、課題を自分ごととして捉え、教材や仲間と対話しながら考えを深めていくことができるようにしました。また、揺さぶりの問いだけでなく、より深く考えるための資料として、映像や写真も活用しています。1回目の問いでは避難所にペットを「連れていく」と判断する生徒が多いと考えたため、避難所の様子が分かる映像を活用し、連れていった後のことまで考えて判断できるようにしました。
静岡県小山町立北郷中学校教諭 渡邉はるか
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。実際の映像から伝わる雰囲気を見ることで、感情移入しながら、自分ごととして考える。今回の授業では、「注文をまちがえる料理店」というインパクトのある教材名から生徒の興味を誘い、より考えを深める一助として実際のレストランやイベントの様子の映像を使用しました。実際の映像から伝わる雰囲気を見ることで、生徒も感情移入しやすく、自分ごととして考えられている様子が、ポートフォリオからも伺うことができました。授業に向けて事前のアンケートを行う際に、認知症についてどの程度知っているのか生徒たちに聞いたところ、詳しく理解している生徒は多くありませんでした。身近に認知症を患うかたがいない環境下では、苦しさやつらさの部分が見えづらくなっていることもあるため、展開...
千葉県船橋市立坪井中学校教諭 横山史子
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。映像で、戦争の悲惨さに対する説得力をもたせる。私が平和学習や本時の教材で授業をする際、歴史から学ぶことの大切さを頭では分かっていても、説得力に欠けることを痛感することがありました。それを補う手立ての一つが、効果的な映像の活用です。この授業は平和学習の後に行いました。映像の役割は前時(平和学習)と本時をつなげるだけでなく、戦争の悲惨さに対する説得力をもたせる役割もあります。また、短いですが強烈な印象を残す内容なので、授業に対する生徒の意識を高めることができます。この意識を本時の教材につなげることが教師の役割となります。
福岡県福岡市立志賀中学校教諭 松元直史
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。最後まで温かく見守っている両親の姿を通して、子供に対する親の深い愛情について考えさせる。授業は中学3年生を対象に実施しました。この時期の生徒は、自立心が芽生え、自分の判断や意思で生きていこうとする気持ちが高まります。そのため、家族に支えられている意識が薄く、干渉してほしくないと、反抗的な態度をとってしまうこともあります。本時で扱う「家族のはなし」は、鉄拳さんのパラパラ漫画です。主人公の男の子が進路選択で多くの課題を抱える中、最後まで温かく見守っている両親の姿を通して、子供に対する親の深い愛情について考えさせることができます。視聴するだけで心を大きく動かされる、力のある作品です。また、進路選択の時期を迎えた生徒にとって、男の子の姿から自己...
敬愛大学客員教授 林輝彦
本誌は、東京書籍が発行する、小学校・中学校の最新の教育情報をご紹介する教育情報誌です。今回の巻頭言は、エッセイ『台湾生まれ 日本語育ち』を書かれた小説家の温又柔先生に、「私の『日本語』を、書いている」を寄稿していただきました。特集は「令和7年度版 新しい中学校教科書」です。令和7年度から使用される東京書籍の新しい中学校教科書について、教科書編集における考え方や、教科書の特長を教科別にご紹介します。最後に、学校の子どもたちや先生方に向けた東京書籍のさまざまなデジタル商品・サービスをご紹介します。
東京書籍(株) 編集局
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。今まで考えたことがなかった世界の問題に目を向けるきっかけに。映像を2種類使用することで、それぞれ異なる効果が期待できます。「そのこ」においては、世界ではまだまだ解決できていない問題がたくさんあることや、その解決の難しさに気づかせるとともに、問題意識をもたせることができます。「チョコレートがつないだひとつの物語」では、自分たちのアクションで未来を幸福にできるかもしれないと気づかせることができます。
岡山県岡山市立岡山後楽館中学校教諭 谷口綾美
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。映像を使用することで、教室にいながら実際に体験しているような状態に近づける。「心が変われば行動が変わる」。それを実感できた授業でした。TT(Team Teaching)で実践した本授業は、導入でまず自分たちが普段、学校や家庭でやっている役割・仕事を挙げ、「その仕事を適当にやるとこんな感じ。心を込めてやるとこんな感じ。」という違いを考えます。展開前半では、世界一の清掃人ともいわれる新津春子さんの映像を見ながら、「心を込めて仕事をする」ことについてみんなで考えていきました。展開後半では、最初に挙げた「自分の今の役割・仕事」のうち、「心を込めてやらなければならない仕事」を一つ選び、具体的にどのようにしようと思うかをワークシートに書いて交流しま...
広島県 教員
「映像を活用した道徳授業実践集」(2024年4月)より。家族相互の支えから生まれる笑顔や幸せについて、深く考える。「家族愛、家庭生活の充実」を学習する教材を扱う際には、多様化している家族構成や家庭環境への配慮が必要です。また、家族という生徒にとって身近な題材が、生徒の家族構成や家庭環境によっては実感の伴わないものとなってしまうことがあります。本実践では、認知症の祖母と「僕」とのやりとりから、「僕」の行動について考えることで、家族について多面的・多角的に考えていきます。「家族を尊敬し、愛情をもって接するべきだ。」と言うのは簡単ですが、認知症の祖母を罵ってしまう「僕」の心情に共感したり、我慢し続けた場合の「僕」の心の健康について考えたりすることで、本時の課題の難しさに直面します。
愛知県一宮市立浅井中学校 教諭 林雄一