第17回

全員で学び合う授業をつくろう!②

小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」「白い黒板」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。2015年3月,小学校教師を退職。教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し,その支部は全国55か所に広がりうねりとなっている。

 現状、授業の感想の多くは、知識について「分かったこと」「気付いたこと」がほとんどです。しかし、授業の中で、みんなで学び合うことを目的とした対話・話し合いの時間を設定したのならば、「みんなで学び合った結果」の観点でふり返りを持たせるべきです。

 その時、例えば「友だちの考えを聞けたか」というような項目は、一部の人の発言・発表を聞いているだけでも○を付けることができるため、それ自体は大切ですが、みんなで関わり合う・学び合う授業のふり返りとして有効であると一概には言えないでしょう。

 文部科学省では、今年度の全国学力・学習状況調査での学び合いの観点の質問として、「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができていると思う」という項目を設定していました。子どもたちに対して、対話・話し合いの目的を明らかにして、動きがある、関わり合い・学び合いのある授業を展開し、その上で関わり合い・学び合いの適切なふり返りをさせることが大切なのです。

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