第16回

全員で学び合う授業をつくろう!①

小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」「白い黒板」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。2015年3月,小学校教師を退職。教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し,その支部は全国55か所に広がりうねりとなっている。

 「主体的・対話的で深い学び」と新学習指導要領で言われていることもあり、授業に対話・話し合いを取り入れている学校、学級が増えています。しかし、その手法の導入推進に走り、対話・話し合いのための知識・技能を指導することが目的化している現状も多く見られます。

 みんなで学び合うために対話・話し合いのある授業を行う、という目的をはっきりと持って実践することが大切です。目的と手段を混同しないことです。

 例えば、小学校では目的を次のように考えるとよいのではないでしょうか。


低学年:たくさんの友だちと仲良くなるために。

    「一人をつくらない」

中学年:学び合う関係性をつくるために。

    「一人も見捨てない」

高学年:成長し合う関係をつくるために。

    「全員が参加者になろう」


 このような授業は、すぐには実現できません。学級づくりと連動しているからです。思い通りに進まないこともあります。だからこそ、出てきた課題と向き合いながら、よりよい対話・話し合いのある授業づくりに挑戦することが大切です。


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