いま一度「自分」を見つめ直す②
小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」「白い黒板」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。2015年3月,小学校教師を退職。教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し,その支部は全国55か所に広がりうねりとなっている。
「ぼくたちの一年間は,『成長』がキーワードでした」「いつごろからか,みんなが『成長』という言葉を口にするようになりました」「私も,『成長』には限界がないということを知りました」…これらは,三学期の子どもたちの成長ノートの言葉です。
この時期は,いま一度,子どもたちに自分の内面を見つめさせたいものです。私は、「成長」がキーワードだと思います。「成長ノート」「成長曲線」「成長年表」などの取組を通して,四月からの自分をふり返らせ,自問自答を繰り返しさせていきます。子どもたちに自分のよさや成長を見つめ直すことができるような機会を設けるのです。
教師は,子どもたちのそれらに寄り添いながら,一人ひとりの成長の事実を価値付けていくことが大切です。その時には,何ができるようになったのかという可視の内容だけではなく,自分の中の意欲や意識の変容といった不可視の世界も自覚させることが大切です。
「価値語は自分の何を変えたのか」「リバウンドしない自分とは」「成長曲線を加速させ続けるために」…これらは、三学期の後半に行う「試練の10番勝負」という,成長ノートに書かせるテーマの一部です。成長力とは,自分で考え,自分の立場を責任を持って選択する力だと言えるのではないでしょうか。行動選択能力と言ってもいいでしょう。
成長を見つめさせる際には,子どもたちの実態を考えながら,教師の願いも含んだ少し抽象度を上げたテーマを与え,子どもの選択能力を鍛えていくことを心がけたいものです。子どもたちは必ず応えてくれるはずです。
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