第9回
関わりの質を深めれば「気になる子」は変わる!③
小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」「白い黒板」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。2015年3月,小学校教師を退職。教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し,その支部は全国55か所に広がりうねりとなっている。
子ども同士をつなぐために,教師は次の二つを特に意識するべきです。
ポイント① 子どもの〈内面〉をほめて価値付ける
一つ目は,子どもの〈内面〉をほめて価値付けることです。一人ひとりの個性の違いや,思考や発言の特色をほめて認めて全体に伝えるということです。
ポイント② 〈質問力〉を大切にした対話・話し合いの授業を重ねる
二つ目は,対話・話し合いを重視した授業を行うということです。授業におけるつながりを生み出すのは,子どもたちの少人数による対話・話し合いだと思います。
多くの教室では,その場しのぎ的な「相談しましょう」「話し合いましょう」といった指示で,具体的な指導が行われていません。子どもたちに丸投げの状態です。これでは対話・話し合い力は伸びません。子ども同士のつながりも生まれません。
対話・話し合い力を育てるカギとなるのは,質問力だと思います。最初は,「なぜ?」「例えば?」が連続してできるように指導すべきです。それらが,相手を否定するのではなく,よさを引き出すようになれば,子ども同士の学びは深いものになっていきます。教室の子どもたちのよりよい人間関係を育てるという視点を忘れてはいけないのです。
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