第5回

教師のパフォーマンス力を磨こう!②

小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」「白い黒板」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。2015年3月,小学校教師を退職。教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し,その支部は全国55か所に広がりうねりとなっている。

 授業中における教師の言葉には,内容を伝達する言語(内容伝達言語)と感情を伝達する言語(感情伝達言語)があります。内容伝達言語とは,いわゆる授業を組み立て伝える言葉です。授業に必要な指示,解説などです。これは,近い将来eラーニング,AIにとってかわられてしまうかもしれません。

 授業は,内容伝達言語だけでは豊かに成立しません。授業の流れに即して,子どもたちの活動や発言に対応して,積極的に教師の感動や評価を表現していく感情伝達言語が必要なのです。「その考え方があなたらしい」「そのがんばりにみんなで拍手」「よくなったね。みんなのお手本です」といった,教師自身の感情を伝える言葉です。

 授業が指導内容の伝達言語に偏り過ぎると,硬くて冷たい雰囲気の教室になります。学校でしかできない温かい学びを教室に広げるために,教師と子ども,子どもと子どもの心をつなぐ架け橋のような言葉である,感情伝達言語の価値を自覚し,磨いていくことが大切なのではないでしょうか。

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