「第25回(平成21年度)東書教育賞」受賞者のご紹介

最優秀賞

岩月佐江子<

 岩月佐江子 愛知県安城市立志貴小学校

小学校部門

過去の三河地震の教訓から防災を学ぶ地域密着の総合的な学習(30,896KB)

この論文は、総合的な学習のテーマに防災学習を取り入れ、未来の東海地震への備えや被災時の行動に自信がもてるようになる実践を計画的に積み上げたものです。仮説や研究計画、学習内容などが統一的に把握されています。また子どもたちは発展的に生き生きと学習しており、地震への対応について、その見方、考え方を深めている点に、学習過程のよさあり、しかも共に意見を出し合い学習を深めています。授業中の表現、学芸会での演出などには、1つのことを探求した経験が溢れており、よい学習能力となって役立つに違い優れた論文です。

石原貴志

石原貴志 静岡県浜松市立庄内中学校

中学校部門

意欲的に取り組む生徒を育成する天体学習(8,094KB)

本論文では、透明半球における太陽の動きの観察方法を工夫して、できるだけ多くの発見ができるようにしています。また、いろいろな天体模型を考案し、本物の天体の動きに似せてイメージを持てるようにしています。よい素材を見つけ、分かり易い模型をつくり、イメージするだけではなく、実際の観測のように観察させる授業展開です。生徒一人ひとりが意欲的に取り組んでいる様子が手に取るように伝わってくる優れた論文です。

優秀賞

小学校 部門

井上 裕一 熊本県玉名市立有明中学校(前・熊本大学教育学部附属小学校)

追究意欲を高める社会科教材の開発と学習活動の工夫(15,833KB)
井上先生は昨年に続いての優秀賞の受賞です。地域教材の開発と、新学習指導要領の趣旨に沿った学習展開、特に定置網漁とあじの一本釣りとの対比の導入は見事です。教師が子どもたちの学習の進め方に積極的にかかわっている点も評価できる優れた論文です。

河⻆哲也 埼玉県所沢市立北秋津小学校

ICT活用による算数科の指導の工夫
─動く視覚効果教具、単元内スパイラル、デジカメ小黒板─
(6,876KB)
デジカメの簡便な活用、ノートの共有化、評価データの実証など、ICTを活用したシンプルな方法で授業を改善し、テスト結果においても、その効果を示しており優れた実践論文です。

塩田正信 福島県石川町立南山形小学校

心づくり、知恵づくり、体づくりを目指した教育活動の創造(26,347KB)
山間地の小規模校ながら教師が子どもとじっくり取り組んだ様子がよく分る実践です。計画が綿密であり、特に「30のストラテジー」が独創的で具体性に富んだ優れた論文です。

中学校 部門

上原昭三 大阪教育大学附属池田中学校

「活用力」を育てる課題学習の実践~紙を折って作図をしよう(5,904KB)
活用力を高める視点として、①数学的な情報を取り出しやすく数学的な解釈が比較的容易である。②解決方法が多様で直線的でない。③解決に必要な先行経験が多岐にわたる、の3点を重視して、工夫し取り組んだ論文です。教師の意図も生徒の反応もきちんと整理されおり、しっかりした優れた論文です。

迫田 豐 広島県府中町立府中緑ヶ丘中学校

公立中学校の改革「軌を一にして」(2,833KB)
問題行動が多発する低学力の学校で筆者は「生徒指導より学力向上を優先せよ」と命じます。教職員はこの難題をわずか1年で見事に解決し、生徒は劇的に変化しました。当たり前のことを徹底して実践することの大切を教えてくれる優れた論文です。

小学校 部門 [論文概要紹介 以下4点](1,660KB)

特別賞

小林省三 東京都江戸川区立二之江小学校

知的障害児に国際コミュニケーション力を育む英語活動の実践
知的障害を持った特別支援学校で、英語活動の実践を通して国際コミュニケーションの素地を育もうとする実践でありその考察です。そして英語活動の効果的な指導の在り方にも言及した優れた論文です。

奨励賞

秋山麗子 大阪市立森之宮小学校

ADHDと共に生きる?支え合い育ち合う学級づくりをめざして?

釜親美和子 石川県加賀市立錦城小学校

子ども達の考える力・表現する力をつけるノート指導

浪越一浩 奈良県生駒市立生駒東小学校(前・奈良県生駒市立生駒台小学校)

子どもの興味関心に沿いながら、ともに作ってい

中学校 部門 [論文概要紹介 以下6点](2,000KB)

特別賞

木村好江 広島県尾道市立原田中学校

豊かな体験活動を通して育成するキャリア能力
「夢を志に」というキャッチフレーズのもと全教職員、保護者、地域が一丸となって教育活動に精力的に取り組んでおります。生徒の変容の様子もよくわかり、体験により身につくことも実証された優れた論文です。

奨励賞

立松大祐 奈良県広陵町立真美ヶ丘中学校

ことばの力をつける英語の学習─暗唱大会への取組を通して─

中島博文 長野県飯田市立飯田西中学校

体験学習を今後の生活につなげ、自己肯定感を育むキャリア教育

平野忠博 熊本県菊池市立菊池南中学校

学校総体としての国語力向上のための共同体制の工夫

柳澤一輝 上越教育大学附属中学校

公正な判断に基づき合意形成を目指す生徒の育成

矢野充博 和歌山大学教育学部附属中学校

中学校理科におけるタブレットPCの活用方法の検討

25回東書教育賞贈呈式集合写真

第25回東書教育賞贈呈式 平成22年1月24日 東書ホールにて

審査委員紹介

赤堀先生

赤堀 侃司
白?大学教授

秋田 喜代美

秋田喜代美
東京大学大学院教授

小野 具彦

小野 具彦
元全日本中学校長会会長

坂元先生

坂元 昂
社団法人日本教育工学振興会会長

杉山先生

杉山 吉茂
東京学芸大学名誉教授

多湖先生

多湖 輝
千葉大学名誉教授・東京未来大学名誉学長

寺崎先生

寺﨑 昌男
立教学院本部調査役・東京大学名誉教授

鳥飼先生

鳥飼 玖美子
立教大学大学院教授

東原先生

東原 義訓
信州大学教授

三上先生

三上 裕三
聖徳大学教授、元全国連合小学校長会会長

●東書教育賞は教育現場を支援します 東京書籍代表取締役社長 川畑慈範(2,382KB)

●第25回「東書教育賞」の審査を終えて(ICTに関わる論文の総評・審査委員の講評・所感)(6,761KB)
●あとがき(財団法人中央教育研究所所長)(501KB)

「東書教育賞」設立主旨

東書教育賞は1984年,東京書籍の創立75周年を記念して設けられました。教科書の発行という公的な事業を行っている会社の社会還元という見地から,ここまで東京書籍を育てていただいた教育界への感謝の気持ちを込めて設置されたものです。
教育現場の地道な実践活動に光を当て,優れた指導法を広める橋渡しをお手伝いしようというものです。

過去の入賞論文

事務局

(財)中央教育研究所内「東書教育賞」審査事務局
〒114-8524東京都北区堀船2-17-1
TEL:03-5390-7488  FAX:03-5390-7489
URL:http://www.chu-ken.jp