①友だちの「一緒にやろう!」が学級への関わりを変える

 帰りの会が終わった後,次の日の朝にみんなが読むために,子どもに黒板へプラスのメッセージを書かせるようにしています。

 写真で黒板にメッセージを書いている男の子は,その日の国語の授業で一生懸命に話し合いに参加しました。教科書を持って,起立して,友だちと対話していました。それまでは話し合いに入れず,ずっと自席で手いたずらをしているような状態でした。しかし,友だちが「一緒にやろう!」と声をかけ,質問し合いながら授業を終えたのです。一緒に勉強できた満足感や,自分も参加者になれたという充実感が,彼の表情から伝わってきました。

 その日の帰りに,彼がふらっと黒板の前に来てチョークを手にしました。そして,少しだけ間をおいて,「おはようございます」と書き始めたのです。授業での関わりが,子どもの学級への関わりを生んだのです。



②友だちのほめ言葉が授業での行動を変える

 「授業中,一生懸命ノートを書くようになりましたね。最後までやりきっていますね」。ある男の子が,ほめ言葉のシャワーで数人に言われた内容です。その子は,5年生の時まであまりノートを取らずに進級してきたようでした。

 しかし,ほめ言葉のシャワーでそうした事実をほめてもらい,夏前くらいからノートへ向かう姿勢が変わってきました。ノートに書くようになると,自分の意見が明確になります。すると,授業への参加態度もみるみる変化しました。

 その後,彼は積極的に話し合いに参加するようになりました。もともと話すことや表現することに長けていた面もあり,相手を納得させ,考えを引き出すような対話ができるようになりました。

 そして,授業後もテーマについて教科書を見たり,ノートに向き合ったりするなど,考え続ける姿を見せるようになりました。

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