①気になる子の成長を促すきっかけとしての行事
行事は非日常の成長のチャンスです。子どもたちは,行事を通して成長を加速させることも少なくありません。そんな各行事を子どもたち全員の「成長を促すチャンス」に変えられたら,これ以上素敵なことはないと考えています。
まずは,年間の見通しを持つという意味でも,行事を一覧表にまとめます。そして,子どもたち全員に「実行委員」などの形で役割分担を与え,いずれかの行事に関わらせます。全員が役割分担をすることで,「いつもあの子ばかり」という構図を崩し,「全員で」年間の行事に取り組んでいくことを意識付けます。
見通しを持つことは,「この行事でこの子を育てる」という視点を教師自身が持つことにつながります。例えば,春の運動会では「応援団」を通してリーダーシップを発揮できる子を取り上げ,積極性と責任感の面を伸ばします。修学旅行の実行委員では,「しおり作り」を通して,消極的なタイプだけど責任感を持ってコツコツ取り組める子を取り上げ,表立って活動しなくても,学級のために自分らしさを発揮することの大切さに気付かせていきます。
②関わり合いを深める仕掛け
行事を通して人間関係を豊かにしていくために,「成長ノート」を活用しています。「成長ノート」とは,教師が子どもたちにテーマを与え,子どもたちがそのテーマに対して考えたことや感じたことを書くノートです。行事の度に,準備が始まる段階で,「運動会で頑張りたいことは何か」といったテーマで作文を書かせます。また,行事の後には,「音楽集会で成長したことは何か」のようなテーマでふり返りを書かせています。
普段は,教師がほめ,認め,励ますための朱書きをして返していますが,時々子どもたち同士で読み合い,コメントし合う活動を取り入れています。子どもたちが赤ペンを持ち,友だちの作文に対して朱書きしていくのです。応援するコメント,共感するコメントなど,行事を通してみんなでみんなを認め合う時間になります。
