- ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
- ○具体例を用いた導入から内容に入ることで,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題が設けられている。
- ○「1章 平面上の曲線」では,定数kの値に応じた楕円と直線の共有点の個数の変化を例題5で取り上げるとともに,一般の2次曲線についても楕円の場合と同様に扱えることを,図を用いて示している。その際,視覚的にわかりやすいように,kの値に応じて平行移動する直線に色を付けている。(p.20~21)
また,媒介変数表示や極方程式で表されたいろいろな曲線について,コンピュータを利用して図示した例を紹介している。(p.38~39)
- ○「2章 複素数平面」では,複素数の積と回転について,例7では原点Oを中心とする回転を複素数の積で表す場合を,例3では点αを中心とする回転を複素数の積で表す場合を示し,2つの違いが分かるようにしている。(p.54,67)
- ○「3章 関数と極限」では,分数関数と無理関数のグラフについて,式の形とグラフの関係がわかるように内容を丁寧に整理している。(p.78~85)
無限級数の収束・発散では,逆が成り立たない例を紹介している。(p.109)
極限値の計算では,例題3で,xを-tで置き換えるパターンを取り上げており,丁寧な扱いになっている。(p.117)
- ○「4章 微分」では,合成関数の微分法の公式を利用する例題2で,公式の利用箇所がわかるように,側注を設けている。(p.143)
媒介変数で表された関数の微分法は,曲線の媒介変数表示を1章で学んでいるため,1節の最後に取り上げ,わかりやすい簡潔な記述になっている。(p.147)
- ○「5章 微分の応用」では,接線・法線の方程式について,1章で学んだ楕円・双曲線・サイクロイドなどの曲線も含めて,これまでに学んだ関数の接線の方程式をまとめて扱っている。(p.166~169)
- ○「6章 積分とその応用」では,不定積分の置換積分法や部分積分法では,公式の適用箇所をわかりやすくするために,例題3や例5において同じ色を付け,解答と公式との対応を示す工夫をしている。(p.206,208)
定積分の置換積分法では,2-x=tと置き換える基本的な例4から,置き換えに工夫を要する例題2,例題3という順に配置し,段階的に学習できるようにしている。(p.217~219)
- ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,高次導関数の発展として,「高次導関数と整式」が適切に扱われている。(p.162)
|