- ○基礎的・基本的な事項を過不足なく取り上げ,例・例題を参考にすれば問題が解ける,問題を解くことによって数学的な思考力・表現力が育成されるなど,学習者の意欲を喚起するように編集が工夫されている。
- ○各項の冒頭に「ねらい」,例の前には何のための問題なのかを明記する一文を設け,目的意識をもって学習に取り組めるように配慮されている。
- ○各ページ右段に,その問題を解くために必要な公式,知識,注意すべき内容を取り上げた「側注」を設け,基礎的・基本的な知識や技能が確実に定着するように工夫されている。
- ○ページの右段には,適宜「ここに注意!」で正答と典型的な誤りを併記してその解説を記述し,注意を喚起して正しい理解に至るように工夫されている。
- ○「1章 数列」では,数列や等差数列について,宅配便の料金やタクシーの料金などの身近にある例をもとにして理解するようにした。(p.6,8)
等差数列の和の求め方については,初項と末項と項数から求める形を主とし,初項,公差,項数から和を求める公式は,簡単な例と問を扱うにとどめた。(p.11~13)
階差数列については,簡単な例を複数紹介することで,理解しやすくなるようにした。(p.26)
Σ記号を苦手とする生徒が多いことに対応し,階差数列から一般項を求める公式は,囲みではΣ記号を用いない形で示し,Σ記号を用いた形の公式については,参考として囲みの外に示しました。(p.27)
フィボナッチ数列について,階段の上がり方という具体的な事象を話題としてコラムで紹介した。さらに,マツカサの表面に見えるらせん形にも見いだされることを,巻末で紹介した。(p.33,後見返し)
- ○「2章 ベクトル」では,ベクトルや位置ベクトルの導入部分で,地図を題材にして具体的なイメージからそれぞれの概念をとらえられるようにしました。(p.40,62)
位置ベクトルを利用して図形の性質を証明する例として,中学校3年でよく扱われるために比較的理解しやすい中点連結定理の証明を取り上げました。(p.65)
空間座標とベクトルでは,空間のベクトルを空間の座標より先に紹介することで,平面上のベクトルとのつながりをよくしました。また,空間座標を紹介した直後に空間のベクトルの成分表示を扱い,空間座標と空間のベクトルを関連づけて考えられるようにしました。(p.67~70)
- ○「3章 確率分布と統計的な推測」では,1節「確率分布」の1項「確率の基本性質」で,確率分布の学習の準備として,数学Aで学んだ確率に関する主な学習事項を振り返ることができるようにしました。(p.80~81)
確率分布の平均,分散,標準偏差については,それらの定義と,分散を求める公式 を扱う程度にとどめ,生徒が取り組みやすくなるようにしました。(p.86~89)
各学校の教育課程はさまざまで,数学Ⅱと数学Bの指導を関連させられない場合も多いと考えられます。そのため,確率密度関数や正規分布については,微分・積分等に関する知識がなくても理解できるようにしました。
|