- ○基礎的・基本的な事項を過不足なく取り上げ,例・例題を参考にすれば問題が解ける,問題を解くことによって数学的な思考力・表現力が育成されるなど,学習者の意欲を喚起するように編集が工夫されている。
- ○各項の冒頭に「ねらい」,例の前には何のための問題なのかを明記する一文を設け,目的意識をもって学習に取り組めるように配慮されている。
- ○各ページ右段に,その問題を解くために必要な公式,知識,注意すべき内容を取り上げた「側注」を設け,基礎的・基本的な知識や技能が確実に定着するように工夫されている。
- ○ページの右段には,適宜「ここに注意!」で正答と典型的な誤りを併記してその解説を記述し,注意を喚起して正しい理解に至るように工夫されている。
- ○「1章 方程式・式と証明」では, 章のはじめに3次の乗法公式と因数分解を扱い,その直後に二項定理を扱っている。二項定理の導入では組合せの記号の簡単な説明と計算練習を扱っている。(p.10~13)
高次方程式では,因数定理を利用した解法を扱うので,まず1項「整式の除法」を扱い,次に2項「因数定理」を剰余の定理も含めて扱うなど,理解しやすいように配慮されている。(p.28~31)
- ○「2章 図形と方程式」では,直線の方程式は,中学校の復習から導入し,1点を通り傾きがわかっている場合と,2点を通る場合の直線の方程式を見開きで扱い,解き方が比較できるように工夫されている。(p.53~55)
円の方程式は,1点から等距離にある図形としてその方程式を求め,軌跡の方程式の考えは,節末の「チャレンジ」で,2定点からの距離の比が2:1である点の軌跡を扱っている。(p.61,66)
- ○「3章 三角関数」では,三角関数の値を,各象限における動径の図と直角三角形の図とともに例3で示している。(p.81)
三角関数のグラフの拡大・縮小や周期は,比較しやすいように見開きで構成され,直接かき込む図も問で扱っている。(p.86~87)
加法定理は,同じ角度でのサインとコサインの両方を例1で取り上げ,式の展開の違いや値の違いが確認できるように配慮されている。(p.93)三角関数の一般角は度数で扱い,弧度法による表し方は章の最後にまとめられている。(p.96~97)
- ○「4章 指数関数と対数関数」では,指数法則を用いた計算は,文字の場合だけでなく数の場合も例3で扱っている。(p.103)
指数関数y=2xのいくつかのyの値からxの値をみつける,という具体例を通して一般の対数を導入し,さらに,対数の記号に慣れさせるために多くの問題を扱い,対数の考えが身につくように配慮されている。(p.112~115)
- ○「5章 微分と積分」では,導関数の計算は,数の係数で表された関数で導関数の公式を導き,側注に式変形のステップを細かくしたものや着眼点を示して丁寧に扱っている。(p.132~133)
関数の増減の導入では,グラフが下に凸の場合と,上に凸の場合の例を示して丁寧に扱っている。(p.138)
積分は,微分の逆演算として示す扱いにしている。また,不定積分や定積分の計算では,簡単な例や例題が多く,式変形も丁寧に示して理解の定着が図れるように配慮されている。(p.146~151)
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