教科書・シラバスのご紹介

数学新数学シリーズ

検討の観点と内容の特色

改訂 新数学A

教番
2東書 数A319
Word
項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項を過不足なく取り上げ,例・例題を参考にすれば問題が解ける,問題を解くことによって数学的な思考力・表現力が育成されるなど,学習者の意欲を喚起するように編集が工夫されている。
  • ○各項の冒頭に「ねらい」,例の前には何のための問題なのかを明記する一文を設け,目的意識をもって学習に取り組めるように配慮されている。
  • ○各ページ右段に,その問題を解くために必要な公式,知識,注意すべき内容を取り上げた「側注」を設け,基礎的・基本的な知識や技能が確実に定着するように工夫されている。
  • ○ページの右段には,適宜「ここに注意!」で正答と典型的な誤りを併記してその解説を記述し,注意を喚起して正しい理解に至るように工夫されている。
  • ○「1章 場合の数と確率」では,集合の用語や部分集合・全体集合と補集合および共通部分と和集合の内容が1項「集合」として集合の要素の個数の直前で扱われている。(p.6~7) 集合の要素の個数では,和集合の要素の個数を求めるのに共通部分の個数を除く考えを用いるので,まず補集合の要素の個数を先に扱い,和集合の場合は後で取り上げて無理なく理解できるように指導の順序が配慮されている。(p.8~9) 条件のついた順列では,イラストを用いて理解を助ける配慮がされている。(p.15) 組合せの利用は,前ページの組合せの性質を用いる例題から入り,円上の点を頂点とする三角形の個数を求める例題,男子7人から3人を,女子5人から2人を選ぶ選び方の総数を求める例題,そして,4本の平行線と5本の平行線が交差しあう図の中から作られる平行四辺形の個数を求める例題へと段階的に程度を上げて丁寧に扱われている。(p.20~21) 確率の計算では,例や例題の問題場面に関連したトランプや袋の中から球を取り出す様子などの写真を提示して,問題の構造が理解しやすいように丁寧に構成されている。(p.26~27) 余事象の確率に関連して,同じクラスに誕生日が同じ人がいる確率を「数学ミュージアム」というコーナーで取り上げ,生徒の関心を引きつけるように示されている。(p.31)
  • ○「2章 図形の性質」の導入では,中学校で学んだ平行線と角,三角形の角の性質,三角形の相似条件,三角形における比の性質,中点連結定理を取り上げ,それらの復習ができるように配慮されている。(p.44~47) 円周角の定理は中学校で学んでいるが,円の性質の基本として丁寧に扱われている。(p.54~55) 作図は,中学校で学んだ垂直二等分線や角の二等分線の作図から入り,線分をいろいろな比に分ける点を作図することまでを扱い,基本的な図形の性質を活用した作図の技能が定着できることを目標にして構成されている。(p.66~69) 空間図形は,中学校で学んだ空間における直線や平面の位置関係やなす角などの基本的な内容についてと,正多面体は5種類あり,それらの構成要素の数について調べたり,正二十面体を巻末に綴じられた厚紙を使って作ったりする程度の扱いになっている。(p.70~74,121,123,125)
  • ○「3章 整数の性質」では,約数と倍数として,約数と倍数の定義の確認,素数の求め方と素因数分解,最大公約数・最小公倍数の求め方とその関係,ユークリッドの互除法を用いた最大公約数の求め方を,具体的な数値例を用いて丁寧に扱っている。(p.78~85) 方程式の整数解では,約数や倍数を考えることによって方程式の整数解を求めることを中心に取り上げ,不定方程式はax+by =1の整数解を求めることを目標にして扱われている。(p.88~90) 分数が有限小数や循環小数で表される仕組みや2進法などの記数法の仕組みでは,具体的な数値例を用いて説明されており,いろいろな例を示すことで,一般の場合にも対応できるように配慮されている。(p.91~97)
  • ○課題学習は,学習内容と実生活との関連が十分に図られており,生徒の興味・関心を高める数学的活動を重視した課題が扱われている。(p.108~111)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *中高の接続に対する配慮がなされているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○導入は数学的活動を取り入れた具体例から入り一般化されており,数学学習の意義や有用性を重視した構成になっている。また,学習のねらいが明確に示されている。
  • ○巻末には,関連するこれまでに学んだ重要事項がまとめられている。
  • ○各節や項の導入で中学校の復習を取り上げるなど,中学校までの学習が未消化な生徒に配慮されている。
  • ○やや高度な内容は「チャレンジ」とし,生徒や学校の実態に応じて臨機応変な取扱いができるよう編集されている。(p.22,38,98)
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○大判(B5判)でかつ見開き2ページ構成と,見やすく,学習しやすいように編集されている。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,図,イラスト,写真が多用されている。
  • ○本文は,文節の区切りで改行されており,文章が読み取りやすくなっている。
  • ○色を適切に使い,視覚的に内容理解をサポートするように配慮されている。
  • 〇用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○本文の問の側注には,必要に応じて節末の「復習問題」にある類題へのリンクが示されていて,自学自習や生徒一人ひとりの実態に応じた問題練習ができるように配慮されている。
  • ○各節末の「復習問題」では,問題の右横に関連する内容の本文ページと例や例題の番号を明記し,解けなかったときには本文にフィードバックできるように配慮されている。
  • ○各章末の「章のまとめ」では,学習した重要事項が確認できるようになっている。
  • ○巻末解答には,本書内で扱われているすべての問題に対する解答が掲載されており,自学自習できるよう配慮が行き届いている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で読みやすく,写真,イラストなども鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○必要事項をコンパクトにまとめ,大判(B5判)のメリットを効果的に活用した紙面構成,例・例題を参考にすれば問題が解けるようにした構成上の工夫など,全体を通して問題が解けることで数学の楽しさが体感できるように編集された教科書である。

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