- ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例・例題と問のギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
- ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。特に,章扉は見開きで構成され,生徒の興味・関心がより高まるように工夫されている。
- ○例・例題で扱っている内容は基本的なものであり,基礎・基本の徹底が図られている。また,節末・章末ごとに定着確認のための問題を設けている。さらに,本文の問の末尾に節末問題へのリンクマークが付され,追加問題が扱いやすくなるように工夫されている。
- ○「1章 数列」等差数列の和や等比数列の和では,初項から第5項までの和を求める計算方法を示してから一般の和の公式が導かれている。(p.11,16)
an+1=pan+qの形の漸化式は,まずp=3,q=-2のときの漸化式が等比数列であることを示し,次にα=pα+qを満たす数αを用いた解法が例題2で扱われている。 (p.32~33)
数学的帰納法の導入は,一般項が3の倍数であることを証明する例で丁寧に示されている。(p.34)
- ○「2章 ベクトル」ベクトルの図形への応用は,分点の位置ベクトルの直後に配置して,例題1,例題2,例題3など,位置ベクトルによる図形への応用がまとめて扱われている。 (p.68~70)
直線のベクトル方程式では,例を1つ1つ示しながら直線のベクトル方程式が求められるように扱われている。(p.71~74)
- ○「3章 確率分布と統計的な推測」確率変数と確率分布は,硬貨を投げるという日常生活に身近な例で簡潔に示されている。(p.98)
確率変数の和の平均は,札を引く例を用いて平易に説明してから一般化されている。(p.108~109)
標本平均の分布と正規分布では,標本平均の分布は標本の大きさが大きければ正規分布とみなしてよいことを,図を用いて直観的に理解できるように扱われている。(p.132)
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