教科書・シラバスのご紹介

数学数学シリーズ

検討の観点と内容の特色

数学II

教番
2東書 数II 301
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項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
  • ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題を設けられている。
  • ○「1章 方程式・式と証明」では,3次の乗法公式と因数分解の直後に二項定理を扱っている。
    また,a+b+cのn乗の展開式は節末で「参考」として扱っている。(p.6~11,p.18~19)
    2次方程式の実数解の符号は,実数α,βの正負と判別式Dの関係から導いている。(p.35)
    恒等式や不等式の証明は,方程式の後にまとめて取り上げている。(p.46~56)
  • ○「2章 図形と方程式」では,2点間の距離や内分点・外分点の座標において,それぞれ数直線上の場合から平面上の場合を取り上げることによって,同じ考えで求められることがわかるように工夫されている。(p.64,66~68)
    円と直線の2つの交点を結ぶ線分の長さは,円の中心と直線との距離および円の半径から求められることを例題3で示し,図形的な見方や考え方が深められるようになっている。(p.89)
  • ○「3章 三角関数」では,三角関数を含む関数の最大・最小を,方程式・不等式について扱った直後に例題8で取り上げている。(p.130)
    三角関数の加法定理の応用では,例題3で2倍角で表された三角関数を含む方程式を解く問題を,例題4で不等式を解く問題を取り上げ,丁寧に扱っている。(p.138)
  • ○「4章 指数関数・対数関数」では,指数関数の増加・減少の応用として,方程式・不等式の例題を3つ扱っている。(p.159~160)
    対数関数の増加・減少の応用として,方程式・不等式の例題を3つ扱っている。(p.168~169)
    対数関数の最大値・最小値では,例題7で2次関数の最大・最小を用いる問題を扱っている。(p.170)
  • ○「5章 微分と積分」では,微分の応用として,曲線上の点における接線の求め方を例1,傾きが与えられたときの接線の求め方を例2,曲線外の点から引いた接線の方程式の求め方を例題1で扱っている。(p.190~191)
    定積分の性質の応用として,定積分を含む関数を求める問題を例題4で,定積分で表された関数を求める問題を例題5で扱っている。(p.212~213)
    絶対値のついた関数の定積分の問題を,例題9で面積の最後に扱っている。(p.220)
  • ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,高次方程式の発展として,「3次方程式の解と係数の関係」が適切に扱われている。(p.59)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取り扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○例・例題→問→節末問題→章末問題の順に,段階を追って一定レベルの問題が過不足なく取り上げられており,その分量も適切である。
  • ○章の扉では,数学者の功績と言葉を取り上げ,数学を学習する意義や有用性を重視し,言語に対する関心や理解を深めるなど言語力育成にも配慮した構成になっている。
  • ○章の章末には身の回りの事象を数学的に考察する「コラム」を設け,数学への興味・関心が広げられるようにしている。
  • ○巻末に「演習問題」を設け,進んだ生徒への配慮もされている。
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,イラスト,図,写真が適切に用いられている。
  • ○必要に応じて色を使い,視覚的な内容理解ができるように配慮されている。
  • ○用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○綴じ込み付録として,「公式集」が添付されており,教科書の参照ページも記されているなど,自学自習のための配慮が行き届いている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で美しく,写真,イラストなども鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○教科目標達成に必要な学習事項・定番問題がコンパクトに網羅されていること,学習内容を表す小見出しを多用した内容のまとまりのよさ,具体例からの導入,内容理解を高めるための図解・色を使った説明など,生徒および指導者にとって効率的に学習効果があげられるように編集された教科書である。また,数学の楽しさが体感できるようにも工夫されている。

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