- ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
- ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題を設けられている。
- ○「1章 数と式」の展開の工夫では,例15で式の一部をひとまとめにして1つの文字にみなす方法を,例題2で積の順序を工夫して展開を容易にする方法を取り上げ,乗法公式への応用を広げている。(p.12~13)
因数分解の工夫では,例題3で式の一部をひとまとめにして1つの文字とみなして因数分解する方法を扱い,またその応用として,複2次式の因数分解を「参考」で扱っている。(p.17,20)
乗法公式と因数分解の応用として,3次の乗法公式と因数分解を「発展」で扱っている。(p.21) 連立1次不等式では,A<B<C型の連立1次不等式の解法を例題3で示している。(p.38)
- ○「2章 集合と論証」の共通部分と和集合では,3つの集合についても例5で簡単に示している。(p.52)
背理法では,p ⇒ qの形の命題の証明を例題2で扱い,結論を否定して矛盾を導く背理法の意味がわかるように工夫されている。(p.62)
- ○「3章 2次関数」の2次関数の最大・最小では,定義域に文字を含む場合や1次の係数に文字を含む場合の最大・最小を,それぞれ例題4,例題5で扱っている。(p.83~84)
2次関数のグラフとx軸の共有点の個数は,直前で2次方程式の解法や実数解の個数について学習してから,2次方程式の判別式に着目させて求めるようにしている。(p.95,97)
- ○「4章 図形と計量」の三角比の相互関係では,鋭角の場合の正弦・余弦から正接の値を求める場合,正接から正弦・余弦の値を求める場合のいずれも扱っている。また,三角比の性質では,鈍角にまで拡張した場合を取り上げている。(p.122~123,132~133)
- ○「5章 データの分析」では,箱ひげ図とヒストグラムがデータの分布を表現するのに適していることを示している。また,同じ分布を箱ひげ図とヒストグラムの両方で示すことで,その対応関係が理解できるようにしている。(p.161)
「参考」では,身長の平均値が階級値から仮平均を引いた変量の平均値で求められることを示している。さらに,この例をもとに一般化して,2つの変量の関係とそれらの変量の平均値の関係が同じになることも示している。(p.174~175)
- 〇課題学習は,学習内容と実生活との関連が十分に図られており,生徒の興味・関心を高める数学的活動を重視した課題が扱われている。また,巻末にまとめられているため生徒や学校の実態に応じた指導ができるように配慮されている。
- ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する 内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,乗法公式の発展として,「3次の乗法公式と因数分解」が適切に扱われている。(p.21)
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