教科書・シラバスのご紹介

数学数学シリーズ

検討の観点と内容の特色

数学I

教番
2東書 数I 301
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項目 観点

内容の選択・程度

  • *学習指導要領の教科の目標を達成するため必要な教材が適切に用意されているか。
  • *基礎的・基本的事項の理解や習得のため適切な配慮がなされているか。
  • *発展的な学習内容の取り扱いに対する適切な配慮がなされているか。
  • ○基礎的・基本的な事項が過不足なくコンパクトに網羅されている。また,例と問とのギャップをなくしスムーズに授業が展開できるように工夫して編集されている。
  • ○導入は,数学的活動を取り入れた具体例から入り,数学的な思考力・表現力が育まれるなど,学習者の意欲を喚起するように配慮されている。また,基礎的・基本的な内容の理解度が確認できるように節末に定着確認のための問題を設けられている。
  • ○「1章 数と式」の展開の工夫では,例15で式の一部をひとまとめにして1つの文字にみなす方法を,例題2で積の順序を工夫して展開を容易にする方法を取り上げ,乗法公式への応用を広げている。(p.12~13)
    因数分解の工夫では,例題3で式の一部をひとまとめにして1つの文字とみなして因数分解する方法を扱い,またその応用として,複2次式の因数分解を「参考」で扱っている。(p.17,20)
    乗法公式と因数分解の応用として,3次の乗法公式と因数分解を「発展」で扱っている。(p.21)
    連立1次不等式では,A<B<C型の連立1次不等式の解法を例題3で示している。(p.38)
  • ○「2章 集合と論証」の共通部分と和集合では,3つの集合についても例5で簡単に示している。(p.52)
    背理法では,p ⇒ qの形の命題の証明を例題2で扱い,結論を否定して矛盾を導く背理法の意味がわかるように工夫されている。(p.62)
  • ○「3章 2次関数」の2次関数の最大・最小では,定義域に文字を含む場合や1次の係数に文字を含む場合の最大・最小を,それぞれ例題4,例題5で扱っている。(p.83~84)
    2次関数のグラフとx軸の共有点の個数は,直前で2次方程式の解法や実数解の個数について学習してから,2次方程式の判別式に着目させて求めるようにしている。(p.95,97)
  • ○「4章 図形と計量」の三角比の相互関係では,鋭角の場合の正弦・余弦から正接の値を求める場合,正接から正弦・余弦の値を求める場合のいずれも扱っている。また,三角比の性質では,鈍角にまで拡張した場合を取り上げている。(p.122~123,132~133)
  • ○「5章 データの分析」では,箱ひげ図とヒストグラムがデータの分布を表現するのに適していることを示している。また,同じ分布を箱ひげ図とヒストグラムの両方で示すことで,その対応関係が理解できるようにしている。(p.161)
    「参考」では,身長の平均値が階級値から仮平均を引いた変量の平均値で求められることを示している。さらに,この例をもとに一般化して,2つの変量の関係とそれらの変量の平均値の関係が同じになることも示している。(p.174~175)
  • 〇課題学習は,学習内容と実生活との関連が十分に図られており,生徒の興味・関心を高める数学的活動を重視した課題が扱われている。また,巻末にまとめられているため生徒や学校の実態に応じた指導ができるように配慮されている。
  • ○「発展的な学習内容」には「発展」マークを付し,本文と明確に区別されている。また,関連する 内容と同じ章に掲載されていて,生徒や学校の実態に応じて無理なく扱えるように工夫されている。例えば,乗法公式の発展として,「3次の乗法公式と因数分解」が適切に扱われている。(p.21)
項目 観点

組織・配列・分量

  • *内容の組織・配列は,学習指導を有効に進められるように考慮されているか。
  • *分量は学習指導を有効に進められるように考慮され,精選されているか。
  • *中高の接続に対する配慮がなされているか。
  • *弾力的な取り扱いに対する配慮がなされているか。
  • ○学習指導要領に示された「内容」と「内容の取り扱い」に準拠していて,生徒の実態に即した必要かつ十分な内容が適切に組織・配列されている。
  • ○例・例題→問→節末問題→章末問題の順に,段階を追って一定レベルの問題が過不足なく取り上げられており,その分量も適切である。
  • ○章の扉では,数学者の功績と言葉を取り上げ,数学を学習する意義や有用性を重視し,言語に対する関心や理解を深めるなど言語力育成にも配慮した構成になっている。
  • ○章の章末には身の回りの事象を数学的に考察する「コラム」を設け,数学への興味・関心が広げられるようにしている。
  • ○巻末には「中学校で学んだ基本事項」として,高校数学に関連する中学校の学習内容がコンパクトにまとめられている。
  • ○巻末に「演習問題」を設け,進んだ生徒への配慮もされている。
項目 観点

表記・表現及び指導に対する工夫や配慮

  • *学習意欲を高めるための配慮がなされているか。
  • *用語・記号の取り上げ方や記述のしかたは適切か。
  • *生徒の自学自習への配慮や工夫がなされているか。
  • *指導書や周辺教材での工夫や配慮がなされているか。
  • ○全編を通して本文の理解を助けるように,イラスト,図,写真が適切に用いられている。
  • ○必要に応じて色を使い,視覚的な内容理解ができるように配慮されている。
  • ○用語・記号は統一されており,記述の仕方も適切である。
  • ○綴じ込み付録として,「公式集」が添付されており,教科書の参照ページも記されているなど,自学自習のための配慮が行き届いている。
  • ○教科書を支援する指導書や周辺教材などが充実しており,指導しやすい教科書である。
項目 観点

印刷・造本上の配慮

  • *印刷の鮮明さ,活字の大きさ,行間,製本などは適切か。
  • *環境保全や生徒の多様な特性に配慮がなされているか。
  • ○活字は鮮明で美しく,写真,イラストなども鮮明で効果的である。
  • ○製本は堅牢で,開きやすい様式である。
  • ○図やグラフの色使いなど,色覚特性への配慮を含むユニバーサルデザインとなっており,全ページにわたって配色を工夫するなど,だれもが見やすい紙面になっている。
  • ○本文の用紙には再生紙と植物油インキを使用し,地球環境や資源に及ぼす影響も考慮されている。
項目 観点

総合所見

  • *上記観点から見た,全体的・総合的な当教科書の特徴
  • ○教科目標達成に必要な学習事項・定番問題がコンパクトに網羅されていること,学習内容を表す小見出しを多用した内容のまとまりのよさ,具体例からの導入,内容理解を高めるための図解・色を使った説明など,生徒および指導者にとって効率的に学習効果があげられるように編集された教科書である。また,数学の楽しさが体感できるようにも工夫されている。

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