道徳のこと。 ぜひ,ご一緒に。
 道徳Q&A
中学校道徳授業に役立つ20の質問

Q19

道徳科の授業に体験的な活動を取り入れるときに注意すべきことは
どのようなことですか?

A19

学習指導過程の一部に体験的な活動を取り入れたり,
体験活動との関連を図ったりするようにします。

 『中学校学習指導要領』(平成29年3月)には,次の記述があります。

生徒の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な実践活動や体験活動も道徳科の授業に生かすようにすること。

 つまり,道徳科の授業に体験的な活動を取り入れる方法の一つは,学習指導過程の一部に効果的に体験的な活動を取り入れることであり,もう一つは,特別活動等における実践活動や体験活動との関連を図った道徳科の授業を行うことです。いずれにしろ,単に体験的行為や体験活動そのものを行うだけでは道徳の授業にはなり得ないということです。
 最初に,学習指導過程に体験的な活動を取り入れる方法ですが,以前から「動作化」や「役割演技」などの手法で,教材の中の登場人物の心情や考えを感じ取る方法が取られてきました。また,中学生の時期は,「挨拶の大切さは理解していますが,なかなか行動に移せない。」など,知と行が一致していない場合が見受けられます。このようなときに,生徒同士が実際に挨拶を行い,その動作や所作を通して道徳的価値の大切さを実感したり,意義を考えたりすることが大切です。
 また,道徳科は,学校全体で行う道徳教育の要としての役割を果たすことが求められています。そこで,二点目として,特別活動等との関連を図った道徳科の授業として,生徒が体験活動などで考えたことや感じたことを,導入や展開後段で想起させる方法があります。
 具体的には,職場体験活動を行った後の授業として,導入で「挨拶をしっかり行ったときの気持ち」を想起させる発問をしたり,展開後段で職場体験で実感したことをもとにこれからの生き方を自分との関わりを通して深く考えさせたりすることです。
 生徒は,体験を通して感じたことや考えたことをもとに,深く自己を振り返ることができます。また,体験活動を通して感じたことや考えたことを話し合いに生かすことは,生徒の関心を高め,道徳的実践を主体的に行う意欲と態度を育むことにつながります。
 そのためにも,「道徳教育の全体計画」(別葉)を整備しておくことが大切です。

ページを閉じる

ページの先頭へ