Q20
A20
評価の着眼点を明確にして,評価資料の収集に心がけます。
道徳科の評価については,『中学校学習指導要領』(平成29年3月)において次の規定があります。
生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。
したがって,道徳科における評価は,
◆ 生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握すること。
◆ 評価を指導に生かすように努め,いっそうの「指導と評価の一体化」を進めること。
◆ 数値による評価は行わないこと。
が,基本になります。
また,道徳科の目標を踏まえると,次の四点が評価の着眼点として挙げられます。
❶ 主に,具体的な「生徒の学習状況」を捉えた評価
❷ 主に「多面的・多角的な見方に広げているか」を捉えた評価
❸ 主に「道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか」を捉えた評価
❹「道徳性に係る成長の様子」を捉えた全体的な評価
❶については,例えば,授業の最後に生徒の自己評価として,
「自分の考えや気持ちを進んで書いたり発表したりできましたか?」
「自分と違う友達の考えや意見をしっかり聞き,考えることができましたか?」
などを記入させることが効果的です。
また,❷については,
「教材や自己や友達との対話を通して道徳的価値の実現に向かう様々な見方・考え方に気づき,自分の見方・考え方を広げ,深めることができたか。」
という視点であり,❸については,
「学習した道徳的価値を自分の問題,自分の生き方の問題として捉えていたかどうか。」
という視点です。どちらも学習活動の様子,学習指導過程から評価をすることになります。したがって,授業における発言やワークシートから見取ることが効果的です。
❹については,道徳ノートを準備したり,毎時間のワークシートを集積したポートフォリオ評価を活用したりする工夫が必要であり,大くくりなまとまりを踏まえた評価を行っていくことが求められます。
また,道徳科の評価においても,評価そのものが目的となるのではなく,授業者が評価をその後の指導に生かすなど,指導と評価の一体化をいっそう進めることが大切です。