Q16
A16
板書は,授業の流れを要約し,構造的に記述します。
板書に関しては,以前から「授業が進むにしたがって,板書に書かれた一つ一つの要素の,全体の中での意味と位置が明らかになってくるというような板書(構造的な板書)が,板書技術の花である。」と言われています。これは,道徳の授業においても同様で,常に生徒は板書を見て,「今,何が問題なのか。」「何を手がかりにして考えればよいか。」を考えます。生徒の発言を取り上げながら授業の流れがひと目で理解できるような板書を目指すことが大切で,これにより学習も効果的に進んでいくことになります。
そこで,道徳の授業における板書の一般的な留意点を挙げます。
道徳の授業では,生徒の考え方や感じ方を重視して学習が進められるので,できるだけ要点を端的に書きます。
黒板の右から左に書くのが一般的ですが,生徒の思考を容易にするような書き方を工夫することが大切です。
予期した発言があるとその都度板書するのを見かけることがありますが,道徳の授業は生徒の内面への働きかけです。授業者としては,発言している生徒の表情やまなざしも理解するようにすることが重要です。板書に追われるのではなく,一つの発問に対する応答は,全て正対して受け止め,ひと区切りしたときに,「今までの発言をまとめると~」という形で要約的に板書をするように心がけます。
また,指導案の中に「板書計画」を記載することが効果的です。板書計画は,その授業の学習指導過程全体を踏まえて構想します。したがって,授業者にとって,板書計画を作成することで指導の流れを十分把握することができるからです。