道徳のこと。 ぜひ,ご一緒に。
 道徳Q&A
中学校道徳授業に役立つ20の質問

Q14

終末はどのような活動を取り入れればよいのですか?

A14

終末は,道徳的価値を確認させ,
実践への意欲を高めるような支援をします。

 終末は,1時間の授業のまとめをする段階です。「自己を超えようとする段階」とも言われ,本時のねらいとする道徳的価値を確認させ,実践への意欲を高める段階でもあります。生徒一人一人が「道徳的価値を実現しようという思い」を抱けるように道徳的価値を強調することが大切です。このため,ねらいである道徳的価値をすでに実践している例や望ましい行為を内容とする例え話などを紹介してその行為を賞賛し,実践への意欲を強めるという方法が多く用いられます。
 学習指導案上では「教師の説話」と記述していることが多いのですが,具体的には,教師の見聞として身近な望ましい行為の実践として例を紹介するだけではなく,生徒作文を紹介したり,保護者の声を録音しておいて紹介したりする方法もあります。したがって,日常的に生徒の状況を把握したり,課題作文や新聞・テレビの報道,家庭との連絡網などで情報収集したりしておくことが重要です。このことは,同時に,生徒の実態把握になるので,他のねらいや主題における指導にも有効に生かすことができます。
 また,内容とする道徳的価値を共有する他の資料を視聴したり,いわゆる「感動教材」と言われる教材を使用する場合は,生徒の心情に強く訴える場面を再度視聴させたりすることも効果的です。

 また,文部科学省より配布されている「私たちの道徳」の活用も考えられます。冊子にある「人物探訪」「この人の一言」「メッセージ」などを紹介し,考えたことをまとめさせたり,自分で見つけた言葉を書かせたりする学習活動を取り入れることも効果的です。
 なお,終末における教師の説話はその効果が大きいとともに,教師の人間性が表れるものであり,話題の選択や内容の吟味,話の進め方やまとめ方などについて工夫することが重要です。また,教師の生徒への叱責,訓戒や行為,考え方の押し付けにならないように注意しなくてはなりません。

ページを閉じる

ページの先頭へ