道徳のこと。 ぜひ,ご一緒に。
 道徳Q&A
中学校道徳授業に役立つ20の質問

Q12

展開前段はどのように進めるのですか?
発問はどのように考えればよいのですか?

A12

展開前段は,中心的な教材によって,
ねらいの根底にある道徳的価値を追求します。

 展開前段は,中心的な教材によって,生徒一人一人がねらいの根底にある道徳的価値を追求する段階です。
 教師による発問は,生徒が自分との関わりで道徳的価値を理解したり,自己を見つめたり,物事を多面的・多角的に考えたりするための思考や話し合いを深める重要な鍵になると言われています。自分の問題として受け止め,深く自己を見つめる発問や,生徒相互の対話の深まりが生徒の見方や考え方の高まりを促す活発な話し合いが可能になるような発問にする工夫が求められます。また,発問を構成する場合は,授業のねらいに深く関わる中心的な発問をまず考え,次に,中心発問を考える上で必要と思われる場面を考え,それを「基本発問」として1~2問程度考え,全体を一体的に捉えるようにする必要があります。
 具体的には,教材の中心部分(登場人物が「悩む部分」「悩みを乗り越える部分」「悩みを乗り越え,喜びが訪れる部分」)を取り上げ,最初にその理由を考えさせる「中心発問」を設定します。
 次に,中心部分に至るまでの登場人物の心情の変化を問う発問を「基本発問」として,1~2問設定するようにします。一般には,生徒の同質性(生徒が共感できる部分)と生徒の異質性(生徒がもつ道徳性より高められた部分)に注目して発問構成するようにします。
 また,道徳の授業での発問は,「一問多答」を基本とします。よく「行間を読む」と言いますが,発問に関しても,「行間を問う」ように心がけることも大切です。これは,書かれていないこと,つまり,生徒の内面を問うことになるからです。また,内面的な心の動きを表現するのは副詞や副詞句なので,教材の副詞や副詞句に注意して発問を構成することも効果的です。
 さらに,教材の登場人物の心情を理解させることに終始しないように配慮することも大切です。中学生の段階では,教材のもつ主題やテーマそのものに着目して,それを追求する発問,例えば,

「真の友情とはどのようなことだろう?」
「この教材が伝えたいことはどのようなことだろう?」

と大きく捉えた発問も効果的なことがあります。

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