道徳のこと。 ぜひ,ご一緒に。
 道徳Q&A
中学校道徳授業に役立つ20の質問

Q11

導入では,生活体験を生かすことが大切だと言われますが,
それはなぜですか?

A11

導入では,自己の生活体験を想起させ,
主題と関わる道徳的問題を明らかにします。

 導入は,主題に対する生徒の興味や関心を高め,学習への意欲を喚起して,生徒一人一人のねらいの根底にある道徳的価値や人間としての生き方についての自覚に向けて動機付けを図る段階です。したがって,他の授業と同様に,道徳科の授業の導入においても,生徒自らが学びたいという課題意識や課題追求への意欲を高め,学習の見通しをもたせることが大切です。
 一般的には,本時の主題に関わる問題意識をもたせる導入や,教材の内容に興味や関心をもたせる導入になります。
 特に,生徒自らが主体的に望ましい人間としての生き方を追求し,道徳的価値についての見方や感じ方,考え方を深めていくためには,導入の段階で,ねらいと関わる生徒の道徳的体験(日常生活体験や体験活動など)を取り上げ,それらに潜む道徳的問題を明らかにし,自分の問題(学習課題)として意識させることが大切です。(浅い道徳的な気づき)
 具体的には,例えば,B(8)「友情,信頼」の授業では,

「あなたにとって,友達とはどんな存在ですか。」
「どのような気持ちでふだん,友達と接していますか。」

などと発問したり,職場体験活動の後の授業では,

「職場体験活動のときには,しっかりと相手の人たちに挨拶ができましたか。」
「その時,どんな気持ちでしたか。」

と自己の体験を想起させたりして,今の自分の見方や考え方,感じ方を確認させ,本時のねらいと関わる道徳的問題を明らかにします。
 中学生の段階では,事前にねらいに関わるアンケートを取ったり,新聞やニュースで話題になったことについて意見を述べ合ったりすることも有効です。
 展開の最初に,導入で明らかになった道徳的問題に基づいた「学習課題」を提示することで,生徒自らが教材を通して何を学ぶのかという見通しを立て,問題意識をもち,自分の課題としてその解決のために主体的に学習に取り組むことができるようにもなります。
(Q17 を参照)

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