Q10
A10
道徳科の特質を考慮した学習指導過程に
いっそう各段階の多様な工夫が求められます。
道徳における学習指導過程は,生徒一人一人がねらいに含まれる道徳的価値についての理解をもとに,自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,道徳的価値や人間としての生き方についての自覚を深めることで道徳性を養うという特質を考慮しなくてはなりませんが,固定化しすぎず,学級の実態,指導の内容や教師の指導の意図,教材の効果的な活用などに合わせて,各段階での弾力的で多様な工夫をすることが大切です。
生徒が主題に取り組む意識を高めたり,共通の問題意識を発見させたりして問題意識をもたせる。
ねらいに迫るために,どこの場面のどの人物を中心にして話し合い,道徳的価値を追求するかを把握させる。
ねらいとする道徳的価値を追求し,深めさせるとともに,多様な価値観を引き出し,より高い価値を追求させる。
より高められた道徳的価値(見方・考え方)に照らして,現在までの自分の体験などについて振り返らせ,今後の自分の見方・考え方・感じ方についての自覚を深めさせる。
本時のねらいとする道徳的価値を確認させ,実践への意欲を高める。
体験活動や生徒の体験からくる道徳的価値の「気づき」を重視し,生活上の問題から発問。
教材の中心場面を決定し,内容を把握し,中心発問に迫る発問。
主人公の心の動きなどを把握し,より高い道徳性を求めさせる発問。
教材から離れ,自分を振り返り,今後の生活を考えさせる発問。
「私たちの道徳」,教師の体験談,ことわざ,生徒の作文などを示して,ねらいとする道徳的価値について,自己を高める意識をもたせる発問。